大渓老街(桃園市)

閉店・移転、情報の修正などの報告

往年の裕福な街の様子が、歩いていると感じとれます


こんにちは、台北ナビです。
台湾には、いたるところに老街があります。老街とは、清朝あるいは日本統治時代に造られた街並みのこと。その数ヵ所は、ほぼ忠実に昔の形に復元され、街全体がレトロな雰囲気となっているところもあります。三峡や深坑などは、その代表格だと言えるでしょう。台北市の迪化街は未だに日々更新中。

桃園市にある大渓老街と言えば、建物の保存状態が非常に良い一角も多いので、レンガ造りの三峡や深坑とは異なる独特の雰囲気を打ち出しています。
大渓老街の範囲は、和平路・中山路・中央路に囲まれたエリア。
その昔清代に漢人が大渓に入墾し、先に住んでいた先住民タイヤル人たちと接触したことから始まります。その後板橋の富商である林家が、大渓老街横を流れる大漢渓を使って木材を運び始めると米や塩などの取引も盛んになり、ここは一つの経済拠点となっていきます。
MAP参考:達文西瓜藝文館

MAP参考:達文西瓜藝文館

和平路の入口、右は肉まんのお店

和平路の入口、右は肉まんのお店

始めはごく普通の建物

始めはごく普通の建物

愛玉や

愛玉や

干し大根

干し大根

シャボン玉を作っている人もいて、お祭りの気分が高まります

シャボン玉を作っている人もいて、お祭りの気分が高まります

手作りの豆花店も多いのです

手作りの豆花店も多いのです

~大渓老街の起こりと発展~

店名の周辺は、鯉や獅子、果物、花など豪華です

店名の周辺は、鯉や獅子、果物、花など豪華です

ローマ字でケンコウ、会社名かな?それにしても見事なレリーフ

ローマ字でケンコウ、会社名かな?それにしても見事なレリーフ


和平路の商店街は1850年ころから発展し始めました。しかし、1896年の乙末戦役で、日本軍の砲撃を受けて炎上。1919年になって、日本総督府が都市計画を実施し、和平路、中山路などの通りは、当時建築様式の流行の主流になりました。
この時代に流行ったのはバロック様式。台北の迪化街でも見られますね。
和平路では、ギリシャ式破風やローマ式のアーチや柱を用いて、アジアの街並みによく見られる1階が店舗、2階以上は通路上に張り出した住居という騎楼を建設。奥行きが長い「街屋」型商店街の建物前面に中国の魚、蝙蝠などの縁起物をモチーフにした彫刻なども施しました。バロックの華麗な装飾と閩南伝統の装飾図案、中華、日本、ローマ字などの商号が混合しているのが大渓老街の大きな特色です。和平路は、平屋16軒、2階建て18軒、3階建て30軒、4階建て10軒、5階建て2軒の合計76軒でしたが、ほぼ完ぺきな保存状態で残ります。
1996年になって、住民のかつての老街の繁栄に対する認識が深められ、住民団体と関連団体が協力し、「老街再建」に関わる工事が続々と展開されます。建物の立面の外観もそれに伴って修繕ないし美化され、本来の風流の姿が再現されたのです。
古い建物に新しい看板を打ち付けています

古い建物に新しい看板を打ち付けています

「茶」と、なんと販売しているものが彫られています、わかりやすい

「茶」と、なんと販売しているものが彫られています、わかりやすい

看板の上に姓、林さん

看板の上に姓、林さん

こちらは、黄さんですね

こちらは、黄さんですね

歩きましょう

独楽!

独楽!

この日ナビたちは、康荘路と交わる和平路から入りました。この通りは、大渓老街のメイン通りでもあります。両側の建物にキョロキョロしながら、大渓ならではの店舗群も目が離せません。
和平街は、木器街として有名だそうで、伝統技術による中国家具や竹で作った玩具や工芸品が並んでいます。特に独楽!タレントの清水圭が「ウルルン滞在記」の番組で、独楽(コマ)回しをしていましたが、街中至るところに独楽があります。和平路の行き止まりにある中正公園には、独楽広場もあり。毎年大渓文化祭では大型独楽の実演が披露されます。
街歩きで楽しいのは、なんと言っても食べ物。地元の名物は「豆干」という小さく切った豆腐を布でくるみ、五香粉などの香料で煮てから乾燥或いは薫製にしたもの。1923年からの歴史を誇る老舗中の老舗で、一番有名なのは「黄日香」ですが、和平路上の支店をナビたちは通り過ぎ、後で本店へ行くことに…。豆干が有名だということで、豆花の店も各所に発見。が、こちらも老舗は後で行くことにし、まずは街歩きを楽しみました。
女子は惹かれるグッズ

女子は惹かれるグッズ

豆干老舗の支店

豆干老舗の支店

豆花屋さんも味わいがあります

豆花屋さんも味わいがあります

ポストに目がいってしまいました

ポストに目がいってしまいました


達文西瓜芸文館

興味深い玩具屋さんの1つで、店内には布袋戯と呼ばれる人形劇の人形が展示の他、独楽もたくさん。

住所:和平路29号 
電話:(03)387-3089/0910-910-287 
営業時間:9:00~18:00

休日は歩行者天国、自転車で回るのも楽しいですよね。

休日は歩行者天国、自転車で回るのも楽しいですよね。


どんどん歩き進めていくと、まさに老街の雰囲気の建物群に入ります。ちょっと歩を緩めてみましょう。凝った彫刻にご注目。
吉祥を表す「鰲魚」や財富を象徴する三足の「金色蟾蜍」、子孫繁栄を願う「牡丹の花」など、それぞれの壁面に縁起を担ぐものが彫られています。獅子や鯉、龍、更に松、鶴、鳳など縁起物が勢ぞろい。
食堂も古い造りと一体化、阿原石鹸のお店発見

食堂も古い造りと一体化、阿原石鹸のお店発見

左に家具屋さん

左に家具屋さん

建物のレリーフはそれぞれなので、建物だけ見てても面白いです 建物のレリーフはそれぞれなので、建物だけ見てても面白いです

建物のレリーフはそれぞれなので、建物だけ見てても面白いです


「月眉通路」に着きました。
ここは、かつて富商が邸宅を構えたところ。
一番往来が盛んだったところだそうですが、今は「牌楼」(ゲート)の表面を残すのみ。
和平路はそれほど長くありません
「福仁宮」に到着。宮の隣の壁に往年の有名歌手「鳳飛飛」の紹介がありました。彼女も大渓出身で、なんと生家は、和平路に入ってすぐの右側だそうです。
宮横の道路の壁に鳳飛飛の紹介文… 宮横の道路の壁に鳳飛飛の紹介文…

宮横の道路の壁に鳳飛飛の紹介文…

やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です
やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です

やっぱり圧倒的に多いのは食べ物です

今度は普濟路をまっすぐ行きます

碼頭古道の先に、大漢渓にかかる武嶺橋が見えますか?

碼頭古道の先に、大漢渓にかかる武嶺橋が見えますか?


行き止まりの手前にはカフェ。右側には大漢渓に下りる碼頭古道が見えます。ここを左に折れましょう。前方右には中正公園。帆船広場があります。
公園からは大漢渓と大渓橋が一望できます。週末はライトアップされて、きれいだそうですよ。石段を降りると大渓橋。バロック式だと言われる大渓橋までは行けませんでしたが、昔この橋は鉄道が走っていたそうです。
和平路突き当りのカフェ、中からはいい景色が望めそうです

和平路突き当りのカフェ、中からはいい景色が望めそうです

カフェ向かいの江夏堂

カフェ向かいの江夏堂

アンパンマン発見

アンパンマン発見

ボクがケーキ作りのお手伝いをしていました

ボクがケーキ作りのお手伝いをしていました

臭豆腐の串焼き

臭豆腐の串焼き

またしても廟がありました

またしても廟がありました

が、前は屋台が立ち並び、お兄さん、粉圓を作っています

が、前は屋台が立ち並び、お兄さん、粉圓を作っています

腸粉は飲茶メニューの定番、ツルリとして中はエビや肉だったり、おいしいんですよね

腸粉は飲茶メニューの定番、ツルリとして中はエビや肉だったり、おいしいんですよね

左側に教会が見えたら、普濟路の真ん中あたりに到着、もう少しで中山路です

左側に教会が見えたら、普濟路の真ん中あたりに到着、もう少しで中山路です


公園内には、台湾本島の形をした池や先ほど書いた独楽広場、明治時代の大渓神社、忠魂碑(現在の復興亭)、相撲広場、蒋介石の銅像あり。さすがにこの像は撤去されていませんね。
さらに前方には、鎮南宮、公会堂(戦後は蒋介石の別荘となり、現在は大渓芸文之家)といった施設あります。その先には 日本時代は警察官や青年の身体鍛錬の場であった伝統の社殿造りの武德殿、1935年(昭和十年)の設立です。
帆船広場

帆船広場

馬に乗った蒋介石

馬に乗った蒋介石

右に鎮南宮があったら、左が中山路

右に鎮南宮があったら、左が中山路

そして、隣は「大渓芸文之家」

そして、隣は「大渓芸文之家」

大渓芸文之家:
普濟路21-3号 
電話:(03)388-646 
開館時間:9:00~21:00(月曜と夜間は要予約)

武德殿:
普濟路33号 
開館時間:10:00~12:00、13:00~15:00

中山路に入ります


「新南老街」の看板が目印。
右側にまず古井戸があります。ここにも独楽が♪
こちらは和平路に比べて短いがゆえ、保存されている屋敷数も少ないのですが、建築物が集中的に繋がっている範囲は和平路により長く、人通りも少ないので、老街好きは満喫できるでしょう。特に緩やかなカーブを描く通りに沿った古い建物群は、ここはパリ?と思わせるような優雅な雰囲気もあります。
井戸の前には、「茶葉蛋」(お茶で煮つめたゆで卵)のハリボテが…

井戸の前には、「茶葉蛋」(お茶で煮つめたゆで卵)のハリボテが…

向かいの屋台に誘導するためでした…

向かいの屋台に誘導するためでした…

中山路でご注目は、中山路35号の建成商行。ここは樟脳や炭鉱業を営んでいた簡阿牛の住居です。簡氏は、現在蒋介石元総統の棺を置いてある慈湖陵寝(当時は謙記炭鉱)の土地の所有者でもあり、大渓きっての大富豪。この建物も老街で最大最高の「牌楼」を誇ります。今は廃墟となって中は空洞ですが、残った壁面から往年の栄華を推し量ることができます。
1920年代の建物の流行をすべて網羅した屋根は弓状に張り出し、両側の2本ずつの柱も力強いですね。珠を連ねた彫刻は、商人の象徴である算盤を表しています。正面には「簡」の名字とローマ字で「Kensei Shoco、建成商行」と刻まれ、外観の迫力と華麗さには圧倒されます。
その高さからも、群を抜いて目立っています その高さからも、群を抜いて目立っています

その高さからも、群を抜いて目立っています

てっぺんには鳥が!

てっぺんには鳥が!


中山路は、名門貴族や富商、郷里の紳士、知識階級の文人官僚などが住居を構えた高級住宅街だったのですが、その証拠が門牌番号にあります。番号が奇数なら名門豪邸で、現在も本来の姿が保留され、昔の繁栄ぶりを偲ばせます。
かわいい花は、色落ちしないのでしょうか かわいい花は、色落ちしないのでしょうか

かわいい花は、色落ちしないのでしょうか

見事な曲線

見事な曲線

今風のお店もありますが、景観は損ねていません 今風のお店もありますが、景観は損ねていません 今風のお店もありますが、景観は損ねていません

今風のお店もありますが、景観は損ねていません

呂鷹揚さんは、1899年に第一期の大渓の町長を務めあげた人で、当時中山路の11,13,15号に居を構えました、中央に鷹が位置する蘭室と呼ばれたこの建物群は、今でもほぼ完全な形を留めています 呂鷹揚さんは、1899年に第一期の大渓の町長を務めあげた人で、当時中山路の11,13,15号に居を構えました、中央に鷹が位置する蘭室と呼ばれたこの建物群は、今でもほぼ完全な形を留めています

呂鷹揚さんは、1899年に第一期の大渓の町長を務めあげた人で、当時中山路の11,13,15号に居を構えました、中央に鷹が位置する蘭室と呼ばれたこの建物群は、今でもほぼ完全な形を留めています


反対側の偶数は、倉庫や労働者と一般人の住宅だそうです。
昔の人は身分格差を当たり前のこととして受け入れていたのか、同じ通りに天国と地獄?があるような気がするのは、ナビだけでしょうか。

こちらは偶数側のお宅。
この「YEUNG」トローマ字で書かれたのは看板か姓?
姓だと「楊」になりますね。
豪華さはないですが、趣のある家屋です。

中央路にあたって左へ曲がります


大渓老街は「中山路」にありを実感したナビたちは、中央路に出ました。
さて、そろそろ食べ始めますよ~。
ここで、外見からして豆花がおいしそうという店に入って総合豆花と花生豆花をいただきます。各40元。ショウガの効いた汁に目が覚めました。
おいしゅうございました~ おいしゅうございました~ おいしゅうございました~

おいしゅうございました~

豆花店の老板娘(女性オーナー)に一番おいしい豆干はどこ?と聞いたら、数軒先の「黄日香」の本店へ連れて行ってくれました。100年近い老舗の本店は、和平路の支店に比べてかなり地味です。が、ここ中央路は人通りも少ないこともあって、店番のおばあちゃんも駄菓子屋さんの雰囲気でとっても親切。
ナビたちは、各自が2種類買いました。これで、35元。
大渓は水質がよいことから、上質の醤油や豆腐を生み出したとのこと。貧しい木工の弟子たちは、山仕事へ向かう際、醤油漬けにした豆腐を乾燥させて持参、空腹になったらかじったといいます。そして、故郷にもお土産として持ち帰ったことが、大渓の豆干がおいしいと広まっていったそうです。
豆腐が凝縮された豆干は、とっても硬いのですが、噛むほどに旨味が!これぞ豆腐の真髄という味です。
オーナーと蒋経国元総統の写真です

オーナーと蒋経国元総統の写真です

買ったのは、これ一個と

買ったのは、これ一個と

こちらで、35元也

こちらで、35元也

食べ歩きにちょうどいい

食べ歩きにちょうどいい

中央路は、和平路に繋がるので、まっすぐ歩いていると、市場もありました。
もうお昼ですが、週末だったので人も多く、いろんなものが売られています。
豆腐の街で、臭豆腐を買わないわけにはいかない!とナビは一袋お買い上げ~

豆腐の街で、臭豆腐を買わないわけにはいかない!とナビは一袋お買い上げ~

手前の方に市場

手前の方に市場

この時期は、棗、トマト、りんご、オレンジ…色とりどりできれいですね

この時期は、棗、トマト、りんご、オレンジ…色とりどりできれいですね

月光餅の店

月光餅の店

路上屋台

路上屋台

一帯、この行列は?

一帯、この行列は?


ものすごい行列ができていたので、何事かと覗いてみると、水あめ餅をのばしてピーナッツ粉にまぶしたお菓子の製作中でした。ちょっとしたおやつにいいですね。
おじさんが伸ばした後

おじさんが伸ばした後

おばちゃんが切っていました

おばちゃんが切っていました

和平路に戻ってくると…

和平路に戻ってくると…

こちらも大人気のようでした

こちらも大人気のようでした

いかがでしたか?
歴史あり、文化あり、食に買いもの、いろいろ楽しめる大渓老街。
もし来られたら、和平路だけでなく、ぜひ中山路まで足をのばしてください。
以上、台北ナビでした。

記事登録日:2014-04-11

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スポット登録日:2014-04-11

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