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オーナーのセンスが光る素敵空間でいただく、オリーブオイルと新鮮素材の台湾創作料理

こんにちは、台北ナビです。

今回やってきたのは台湾創作料理のレストラン「四知堂」。おしゃれアンテナが敏感な人なら、この名前を聞けばきっとピンとくるはず。異国情緒漂うハイセンスな空間で、素材にこだわった台湾創作料理が味わえる“旬”なレストランです。

ひっそりと佇む大人の隠れ家的レストラン

閑静な住宅街にある四知堂。お店の前に看板やメニューが出ていなく、入口が建物の脇でしかも奥まっているので、はじめて訪れた人は道を行ったり来たりしてちょっとお店を見つけるのに手間取ってしまうかもしれません。門塀の小さな「四知堂」の表札をたよりに入ってみると、レストランというよりもだれかのお宅におじゃましたような感覚に。「入っちゃっていいのかな??」とドキドキワクワクしながらの入店です。
ちなみに、お隣は小籠包で有名な濟南鮮湯包。その“すぐ”右隣ということを覚えておけば迷うこともないです。そして、レストランの入る建物は、有名な建築家の方が設計してご自身が住まわれていたそう。一見普通の建物のようですが、よく見ると直線的な設計が印象的です。

世界中から集めたアンティークが並ぶセンス抜群の空間

木の扉を開けると照明を落とした店内にお香の香りが漂い、ジャズが聞こえてきます。まるで異空間へ迷い込んだような錯覚に陥ったナビ。一瞬で、このお店のセンスに一目惚れしました。
最近は台北にもたくさんおしゃれなお店ができてきましたが、ナビ的には「ちょっと気合いが入りすぎてるな」「ここだけ惜しい」など、あとちょっと感が否めないこと多々あり。でもこのお店は“力の抜け感”が絶妙なのです。
オーナーの陳超文さん

オーナーの陳超文さん

それもそのはず。オーナーの陳超文さんは台北市内でレストランのプロデュースを手がけるその世界ではとても有名な方。お店には、センス抜群の陳さんが世界中から集めたアンティークの家具や個性的な小物がバランスよく並んでいます。
例えば、店内のテーブルと椅子は同じようなテイストで全体の統一感がありますが、どれも違うもの。「これはフランス、そっちはデンマーク。あれはねドイツの椅子だよー」。世界を2年間旅して集めたアンティークの家具は使い込んであって味があり、空間にしっくりと溶け込んでいます。店内に使用している木材も迪化街などの古民家を解体した際に出たものを使用。何十年も使いこんだ木材は雰囲気作りにも一役かっていますが、それ以上に新しい木材にはない長い年月をかけて作られた柔軟性があるそうです。そのため、湿気や振動にも変形せずそのままの姿を保つ役割を果たしているんだとか。
こだわりの店内は“家”を連想させるような温かさがあって、ずっとここに居たくなるような心地よさです。
なにげなく飾られているドライフラワーや動物の飾りもセンスあり。 なにげなく飾られているドライフラワーや動物の飾りもセンスあり。 なにげなく飾られているドライフラワーや動物の飾りもセンスあり。

なにげなく飾られているドライフラワーや動物の飾りもセンスあり。

お店に入ると、お魚が”こんにちは~”。粋ですね♪

お店に入ると、お魚が”こんにちは~”。粋ですね♪

オリーブオイルと新鮮素材を使ったオリジナリティ溢れる料理

インテリアだけでなく、食へのこだわりもかなりのもの。台湾料理や中華料理にはかなり珍しく、こちらでは味付けや炒め物の際にオリーブオイルを使用しています。しかも、オーナー自らが出向いて買い付けたスペイン産のエクストラオリーブオイルというこだわりぶりで、「オリーブオイルは素材の味を生かすのにぴったり」だそう。
フランス産のシーソルトはお好みで。

フランス産のシーソルトはお好みで。

もちもちの自家製パンにこだわりのオリーブオイルをつけていただいてみると、リンゴとバターの味がしてさわやかなのにまろやか、そして少し後からちょっと辛さが来ました。 これまでオリーブオイルだけに集中してじっくりと味わったことがなかったので、オリーブオイルの奥の深さに驚きました。
ここの料理のキーポイントと言えるオリーブオイルの味をまず味わってもらうため、最初にこのパンとオリーブオイルを食べてもらうそうです。

メニューへのこだわり

台湾料理とオリーブオイルの組み合わせにも期待が高まります。さっそく、オーナーが手書きしたメニューを見ると、品名だけが書かれていて値段がありません。
小心者のナビは値段が書かれていないと心配になってしまいますが、スタッフの方に聞くと「あえて値段を書いていない」そうです。

1つ目の理由は、毎日新鮮な素材を使うため。野菜や魚、肉はその日によって仕入れ値が変わるので、それによって若干の幅があるそう。とくに、魚は料理長が“これだ!”というものを一匹ずつ選ぶので種類や大きさが異なり、合わせてお値段もかわってきます。

2つ目は、お客様の人数や要望によって1皿分の量を調節できるようにしているから。確かに、中華料理って少人数だとあまり品数が頼めなくて、ちょっと残念なことってありますよね。
量は1人分から対応可能。オーダーする際にスタッフが値段を教えてくれ、会計の際のレシートにもきちんとそれぞれの値段が明確に書かれています。これならメニュー表に値段が書かれていなくても安心で、しかもいろいろな種類のお料理を楽しめそうです。

この値段を書かない方法ですが、開店から7年間で一度もクレームや問題になったことはないそう。「リピーターの方が多く、みんなお店を信用してくれているから」と陳さん。誠実な姿勢がお客さんにも支持されているようです。

季節ごとに変わるメニューは全部で20品

 こちらのメニューは季節ごとに変わります。全20種類のメニューの中から、おすすめを紹介してもらいました。
無花果鶏肉沙拉(イチジクと鶏肉のサラダ) 750元 /2~4人分
色とりどりの野菜やフルーツがとてもきれいに盛りつけられていて、 食べる前から盛りつけの美しさに感動です。こちらは人気の定番料理で、常時あるメニューだそうです。

サラダにイチジクと、醤油とスパイスで下味をつけた台湾産の鶏肉というオリジナリティ溢れる組み合わせで、イタリア産のビネガー(紅酒酢)がドレッシング代わりにあしらわれています。

さらに、このレストラン自家製のドライパイナップル、焼いて甘さをぎゅっと閉じ込めたさつまいもとニンジン、ビーツ、オクラ、トマト、チーズ、バナナチップスなどがトッピングされています。

素材がどれも新鮮で、素材そのものの味が楽しめる一品。たくさんの素材が惜しみなく使われているので、一口ひとくち食べる楽しみがあります。ドレッシングもビネガーなのでとってもヘルシーで、体のなかからきれいになりそう❤ 

欖菜秋葵五花肉(豚バラ肉の欖菜炒め) 400元
豚バラ肉とオクラ、ベビーコーンの炒め物。オリーブオイルの葉っぱ「欖菜」と、少々のしょうゆと塩のみで味付けしてあります。欖菜はちょっと塩気があって、豚バラ肉と相性ぴったり。ほかにも種付きオリーブオイルやピータンが入っていて、これもまた料理の味にぐんと深みと広がりを添えていました。 
種付きオリーブオイルやピータンが入っています。 種付きオリーブオイルやピータンが入っています。

種付きオリーブオイルやピータンが入っています。


南瓜燉土鶏(かぼちゃと鶏肉の煮込み)520元
かぼちゃと鶏モモ肉、大振りのしめじを土鍋でじっくりと煮込んだ料理。台湾産のかぼちゃは日本のものに比べて少し水っぽくて、ナビはあまり好きでなかったのですが、ここのかぼちゃは土鍋で煮込んでいるからか“ねっとり”。かぼちゃの甘さを生かし、ほんの少しの塩だけで味付けしてあります。どこかほっとする家庭の味です。

蒸烤野生海魚(海魚の香草蒸し) 時価
お魚の上に煮汁たっぷりのじゃがいも。

お魚の上に煮汁たっぷりのじゃがいも。

魚は料理長が毎日新鮮なものを選んでいるので、その日によって種類が異なります。この日は「花臉」というタイの一種でした。スライスしたジャガイモを魚にのせ、臭みをとる効果があるハーブとレモン、酸梅を添えて日本酒、みりん、しょうゆで味付け。

スタッフの方がきれいにとりわけてくださった魚は、新鮮でまったく臭みがなく、身がふっくら。日本の煮付けに近い味付けですが、ハーブとレモン、酸梅を使っているのでさっぱりとした風味でした。煮魚の付け合わせとしてはかなりめずらしいジャガイモ、煮汁をしっかりと吸っておいしかったです。

こちらは魚の大きさや種類によって800~1800元と幅があります。オーダーする際にスタッフの方に確認してくださいね。 

小菜
自家製メンマ

自家製メンマ

西洋薯というシャキシャキしたお芋のような野菜のマリネ

西洋薯というシャキシャキしたお芋のような野菜のマリネ

キムチで合えたキャベツ

キムチで合えたキャベツ

こちらは日替わりで、人数に合わせて2~3種類が提供されます。箸休めにもピッタリ!  

できたてのふわふわの絶品スフレ♪

オーダーした料理がすべてテーブルに並んだら、スタッフの方が「デザートはどうしますか?」と聞きにきます。デザートはメニューに書かれていないのですが、3種類ほどの手作りケーキとスフレがあります。

この中から今回ナビがいただいたのはオレンジスフレ。オーダーを受けてから作るので約20分必要です。できたてほやほやのスフレは、サーブされたらすぐに食べるべし!

ふわふわのスフレは口の中で溶けてオレンジのいい香りが広がり、幸せな気持ちに❤
こちらは料理用のキッチン

こちらは料理用のキッチン

ご飯だけでなく、デザートもおいしいなんて本当に素敵です。このレストランは料理用とデザート用の厨房がきっちり分かれていて、それぞれへのこだわりも感じられました。  

体にやさしく、おいしい台湾創作料理

どの料理も素材を十分に生かしながら丁寧に調理されているのでおいしく、しかもこれまでに食べたことのないオリジナリティを感じました。油はオリーブオイルを使用しているので、おなかいっぱい食べても胃もたれせず、翌日はおなかすっきりでした。

参考までに、料理一品の価格帯は350~1800元くらい。前菜、メイン、サイドなどバランスよく注文して、だいたい1人1000元ほどの予算を見ていれば大丈夫だそうです。

飲み物は台湾のビール、イタリアのビール、赤ワイン、白ワインとコーヒがあります。ワインの持ち込みをする場合は、グラス使用代として1人50元かかります。  

コンセプトは「HOME」。ゆっくりとくつろげる場所

このお店の名前「四知堂」の由来を陳さんに聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

陳さんが小さい頃に通っていた病院の名前だとか。その病院の先生は患者がとても多くて忙しい時でも、患者さん一人一人の話に耳を傾け、家族のようにじっくりと対話してくれたそう。このお店を作る時、その先生の真摯な姿を思い出して命名したそうです。
とても大きなガラスで囲まれた店内。開放感があって気持ちいい!

とても大きなガラスで囲まれた店内。開放感があって気持ちいい!

なるほど。家のように落ち着ける空間で、一人一人のお客さんを大切にもてなすこのお店の姿勢と通じるものがあります。ナビが取材に訪れた時も、周りのお客さんはまるで自分の家のようにとてもリラックス。楽しくおしゃべりしながら、ゆっくりと料理をいただいていらっしゃいました。
日本語の本のたくさんありました。

日本語の本のたくさんありました。

トイレには熱帯魚が!

トイレには熱帯魚が!

オーナーのセンスが光る素敵空間でいただいた台湾料理は本当にどれもおいしく、食べる楽しみがありました。みなさんもぜひ訪れてみてくださいね。きっとナビのようにまたリピートしたくなるはずです。

以上、台北ナビでした。

記事登録日:2014-11-21

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2014-11-21

スポット更新日:2015-07-20

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