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屏東市青島街エリアにある、日本家屋をリメイクしたおしゃれなハーブカフェ

こんにちは、台北ナビです。
台湾南部旅行というと、おそらく高雄か、あるいは屏東市を飛び越して屏東県の墾丁に行くという人が多いからか、「屏東市」という所はど~うも観光地としてのインパクトに欠けるな~、という印象をみなさんお持ちではないでしょうか?いえいえ、皆さん「屏東市」をあなどってはいけません!実はここ数年の間に「屏東市」はどんどん進化しています!鉄道の高架化が進み、市内観光地も整備され、オシャレなカフェやレストランも増えるなど、まさに現在進行形で発展している屏東市は今、一番ノリに乗っている地方都市、といっても過言ではありません。そんな「屏東市」の青島街エリアに話題のハーブカフェ「香夢園」ができたと聞いて、さっそくナビは取材にいってまいりました!

屏東市の観光スポット「青島街エリア」の歴史

路地に入るとこんな日本家屋が並んでいます。

路地に入るとこんな日本家屋が並んでいます。

屏東市はイメージ的にすご~く遠~い南の町、というイメージがあると思いますが、実は高雄から電車で30分足らずととっても近いんです。台鉄「屏東」駅を降りて駅正面に走る中山路を直進すること約15分、中山路と青島街の交差点の辺りから古い日本家屋が見えてきます。この辺りが屏東市で今最もホットな観光スポット「青島街エリア」です。
日本統治時代、青島街周辺には多くの陸軍宿舎が建設されました。戦後は国民党政府に引き継がれ、陸軍宿舎として使用されることになります。この北側の勝利路、東側の成功路までの区域は「勝利新村」と呼ばれ、国民党軍とその家族たちが住む軍人村「眷村」として独特な眷村文化を発展させていきました。
昔の面影を残す香夢園の建物。

昔の面影を残す香夢園の建物。


その後時代の流れとともにこの勝利新村の住人も次第に少なくなり、建物の老朽化が進んだため多くの日本家屋が取り壊されていきましたが、ここ数年来のレトロブームにより、この青島街エリアの日本家屋は屏東市政府によって眷村文化園区に指定され、文化遺産として修復・保存されることになりました。
現在保存された建物はギャラリーやカフェ、レストランとして生まれ変わり、屏東市の古い歴史を伝えるとともに新しい文化を創造する場として、今屏東市でもっとも注目されているエリアとなっています。
今回取材する「香夢園」は、文化遺産として保存指定されたエリア内の一角にあります。ですから「香夢園」の建物は国の財産ということになりますね。場所は中山路沿いに歩き青島街を過ぎて一つ目の細い路地、「勝義巷」の中です。
勝義巷に入る道には案内版がありますので、見つけやすいです。この路地を進むと左側2軒目が「香夢園」です。
中山路から勝義路に入る所に案内版が立っています。 中山路から勝義路に入る所に案内版が立っています。

中山路から勝義路に入る所に案内版が立っています。

お店の敷地内にはたくさんの草花が植えられており、色鮮やかな花、ハーブの緑、そして南国の青い空が美しく私達を迎えてくれます。この建物は日本統治時代に日本の空軍の将校が住んでいたそうです。

ハーブの専門家が開いたお店♪

お店のご主人傅さんがプロデュースしたナチュラルハーブ虫除けスプレー(150元)。子供にも安心して使えます。

お店のご主人傅さんがプロデュースしたナチュラルハーブ虫除けスプレー(150元)。子供にも安心して使えます。

さてこのお店のアドバイザーである傅さん夫妻さんにお話を伺いました。
傅さんは、屏東の大学でハーブの研究をされている教授でいらっしゃいます。傅さんは茶葉だけでなく、ハーブを使った様々な商品の開発も手がけ、こちらのお店でも傅さんのオリジナルハーブティーをはじめ、傅さんのお弟子さんでありこのお店の責任者である黄宗博さんが設立した「雅植香草カフェ」ブランドの本格的なハーブティーを楽しむことができます。

左二番目がKaoriさん。スタッフの女の子たちも大学でハーブを研究していた学生さんです。

左二番目がKaoriさん。スタッフの女の子たちも大学でハーブを研究していた学生さんです。

そして傅さんの奥サマKaoriさんは、日本人の奥様です。
Kaoriさんは、な・なんと、屏東在住歴25年!すごい!ナビも台湾在住歴はまあまあ長い方ですが、25年とは!しかもこの辺鄙な町に!(し、失礼しました!)「屏東のことなら何でも聞いてね~、私、「屏東の母」って呼ばれているのよ~ホホホ~」なんてジョークを飛ばすKaoriさんは、とても気さくでチャーミングな奥サマなのです。お店のネーミングもハーブの香りとKaoriさんのお名前にちなんでつけられたそう。お店のインテリア、メニューなどお店の切り盛りはKaoriさんが中心に手がけていらっしゃいます。

店内をご紹介♪

それではさっそくお店をご紹介いたしましょう。こちらのお店のコンセプトは「花鳥風月」。なるほど、お庭にはハーブをはじめたくさんの草花が植えられていて、しかもお店の玄関には大きなオウムちゃんがいるのはそういうテーマがあったからなんですね~。
オウムさん、「いらっしゃいませ~」と言えるのかしら・・・? オウムさん、「いらっしゃいませ~」と言えるのかしら・・・?

オウムさん、「いらっしゃいませ~」と言えるのかしら・・・?

ハーブの植えてある箱。

ハーブの植えてある箱。

裏庭もすてきです。

裏庭もすてきです。

「香夢園」は2012年にオープンしましたが、Kaoriさんは日本家屋をリフォームする際気をつけたことがあるそうです。それはリフォームはできるだけ最小限にして、当時の雰囲気を壊さないようにしようとしたこと。そのため店内の間取りには手を加えず、床板など老朽化した部分を修理しただけだそうです。その際に、ちょうど台北で病院を経営していた傅さんのご実家が取り壊されることになり、そこでいらなくなった欄干やドアを再利用したそうです。
また店内にも、これまた傅さんのご実家から譲り受けた1950年代の調度品やアンティーク家具が置かれています。そのためでしょうか、「香夢園」はお店というより、むしろ50年代のハイソな人のお宅にお邪魔している、かのような錯覚に陥る不思議な空間に仕上がっているんです。そこが今流行りのリノベーションカフェとは一線を画している点と言えましょう。
著名な廟画家、陳玉峰氏は傅さんのおじい様。

著名な廟画家、陳玉峰氏は傅さんのおじい様。

また店内には多くの絵画が飾られていますが、その中でも必見は台湾の画家陳玉峰氏による作品です。陳玉峰氏は台湾で有名な廟絵師として台北の龍山寺も手がけた人物で、彼の作品は大英博物館にも収蔵されているんだそうです。そしてその陳玉峰氏は、何と傅さんのおじい様なんですって!
Kaoriさんによると、このお店を訪れるお客さんは台湾人、そして日本人にかかわらず、一応に「昔の生活を思い起こさせる、とても懐かしい雰囲気だ」とおっしゃるそうです。またKaoriさんは日本空軍宿舎だったこの建物を守り、未来に向けて台湾と日本の共同の歴史と記憶、平和でなつかしい時代を伝えていきたいと熱く語ってくださいました。
ここは昔は応接間だったようです。

ここは昔は応接間だったようです。

ミニパックのハーブティ(90元)。お土産にいかが?

ミニパックのハーブティ(90元)。お土産にいかが?

これはご実家の病院から譲り受けた、昔の保育器だそう。

これはご実家の病院から譲り受けた、昔の保育器だそう。

メニューをご紹介♪

店内の作品やアンティークをじっくり鑑賞したあとは、いよいよドリンクとお食事をいただきます!まずはドリンクから~♪
生鮮香草茶(フレッシュハーブティー)(100元)

生鮮香草茶(フレッシュハーブティー)(100元)

Kaoriさん一押しはフレッシュハーブティー(100元)です。
お庭から直接摘み取った新鮮なハーブが数種入った香り高いハーブティー。もちろん無農薬です。季節によってハーブの種類は異なります。今日のハーブはレモングラス・レモンバーム・ミント・タイム・シソ・ステビアが入っていました。摘み立てのハーブで入れたお茶ってこんなにいい香りがするんですね~!
ハーブティーはそのほかカモミールティ・ミントティ・ローズティなどがあります。お食事付きの場合、全てのハーブティーが半額となります。
水果茶(120元)(写真:香夢園提供)

水果茶(120元)(写真:香夢園提供)

こちらはフルーツティ(120元)。
フレッシュな果物の甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。
続いてコーヒーおすすめのコーヒーをご紹介。
拿鐵咖啡(120元)

拿鐵咖啡(120元)

拿鐵咖啡(カフェ・ラテ)(120元)
コーヒー豆はイタリアの有名ブランドillyの豆を使用しています。
食事付きの場合、コーヒー類は90元になります。
泰武地咖啡(150元)

泰武地咖啡(150元)

泰武地咖啡(150元)
屏東の三地門で栽培された泰武地コーヒーの中でも最高級の豆だけを厳選した貴重なコーヒー。
屏東でしか飲めないコーヒーです。芳醇な香りです。このコーヒーはとても人気があるそうで、あまりのおいしさに続けて3杯もオーダーされたお客さんがいらっしゃったそうです。
続いておすすめのお食事をご紹介。お店の建物は文化遺産に指定されており、店内での火の使用は禁止されているので厨房は離れにあります。
メニューは日本の定食がメインで、そのほかワッフルやスコーンもあります。今後徐々にメニューを増やしていくそうです。
夢香園定食200元(写真:夢香園提供)

夢香園定食200元(写真:夢香園提供)

Kaoriさんおすすめは夢夢園定食(200元)。
特製ハーブソーセージ、スペアリブが人気です。
和風漢堡定食 200元(写真:夢香園提供)

和風漢堡定食 200元(写真:夢香園提供)

そしてこちらはハンバーグ定食(200元)。
とてもジューシーです。 
和洋咖哩(香草風味)180元(写真:香夢園提供)

和洋咖哩(香草風味)180元(写真:香夢園提供)

カレーライス(ハーブ風味)(180元)はチキン、ビーフ、シーフードからお選びください。
そしてこちら、花寿司定食(180元)生姜焼き定食(180元)は地元の人たちに人気のメニューです。
豬肉姜燒定食(180元)

豬肉姜燒定食(180元)

花散壽司(180元)

花散壽司(180元)

お店では不定期に文化交流イベントが行われます。


さらにここ「香夢園」ではコンサート、ワークショップ、展示会など様々な文化交流イベントを随時行っているんです。例えば日本のこいのぼり、ひな祭りなど日本の年中行事や着物など日本文化を紹介するイベントや、台湾や他国の文化交流イベントなどが行われ、さまざまな国の人達が集う文化交流の場となっています。
ナビが取材をした日、ちょうど日本から来た三味線奏者がミニコンサートを開くというので、ナビも見学させていただきました。コンサートは夜19時30分から。みなさんディナーを楽しみながら三味線の音色に耳をすませていました。
和やかな雰囲気の中でのコンサート。

和やかな雰囲気の中でのコンサート。

コンサート終了後記念撮影。左がKaoriさん、右が傅さん。

コンサート終了後記念撮影。左がKaoriさん、右が傅さん。

夜になると、これまた昼とは違った趣のある雰囲気になりました~。

自然あふれる環境と、日本と眷村の歴史と文化が融合したハーブカフェ「香夢園」は斬新なアイデアを発信する文化交流スポットとして、今屏東でとても注目されており、2012年屏東文化処主催の「文創好点」投票イベントでノミネートされたそうです。
皆さんもそんな自然と文化のあふれる屏東市の「香夢園」へぜひいらっしゃってくださいね!
以上台北ナビでした。

記事登録日:2013-09-30

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2013-09-30

チェックイン日
宿泊数
部屋数 部屋1 大人 子供

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