台中市長公館(台中市)

Taichung Mayor’s House台中市長公館

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台中市長サンの官邸で、の?んびりしてみませんか?一味違った台湾みやげもそろう、街なかの気軽な休憩スポットです。

こんにちは、台中ナビです。伝統的な台湾みやげに飽きちゃったという方、台湾に残る日本建築に懐かしさを感じるという方、若者でごった返す一中街のはずれに、ぴったりの休憩スポットがあるんです。芸術・文化・憩いの場として、新しく生まれ変わった市長公邸を訪ねてみました。

ここは2006年9月にオープンした、歴代の台中市長の公邸を改造して作られた総合スペース。台中市の所有で、展覧などを専門に企画運営する会社が運営しています。今回いろいろ説明してくれたのは管理處総監の呉玲毅さん。

実はナビ、この建物は、以前から近くの道を通るたびに気になっていました。塀の奥にひっそりとたたずむ、2階建ての白い洋風建築。日本統治時代のものであろう時代を感じさせます。でも中に入るのは初めて。こんな風に一般開放されていたんですね。

まずは建物と庭を鑑賞

呉さんによれば、ここは日本統治時代の眼科医で、台中州評議員も務めた宮原武熊という人の邸宅。昭和4年(1929年)に建造され、約80年は経っているそうです。「“古跡”ですか?」と聞くと、「100年未満のは“歴史建築”って言うんですよ。」 政府の文建会というところが認定するとか。ちなみに宮武氏の眼科医院の方は、現在の中山路と緑川東街の交差点のところにあったそうです。

あれ?こんなところに松の木が。懐かしいですねー。台湾では松はほとんど見たことありません。聞くとやはりこの宮原邸に元々あった木だそうです。日本から持ってきたものなのでしょうか。切られずに残っているのが不思議なくらい。建物の裏は敷地の境界の壁を利用したモダンアートの展示コーナーになってました。呉さんの説明では一つ一つ深いテーマがあるようです。う~ん、これはじっくりと鑑賞しないと分からないかも…。頭を抱えるナビ。あ、いけません、取材です。気を取り直して建物の方へ。
玄関を入ると、まず目につくのが正面の壁に飾ってある、現在の胡志強台中市長の肖像。「胡市長も住んでいたんですか?」「いえ、第二次大戦後に日本人が引き上げた後、台中市政府に接収され、市長公邸として使われたのは8代目の市長まで。そのあとは放置されていたのを、もっと市民のために有効に活用しようと決めたのが、現市長なんです。」ほー、文芸愛好家で知られる市長らしい発想です。

若い頃のイギリス留学当時の写真などもあったりして。元女優の奥さんとのツーショットも。


1階広間は待合室のようで、台湾各地の美術館や博物館のパンフがおいてありました。そして部屋の奥の隅にはなぜか、おみくじ販売機が。10元いれると人形が奥の宮に入って、なにやら小さな筒をもってあらわれます。恋愛運の占いでした。カップルの訪問者のためのサービスなのでしょうか。

なぜか懐かしい展示空間


2階にあがると広い板張りの広間が。普段は貸し出しのスペースとして、展覧や講義、ミニコンサートなどにも使われるそうです。ここで、呉さんがとっておきの窓の説明。建設当時のままのもので、上下に動いて窓が落っこちない仕組みになっているとか。日本でもみたことありません。台湾では昔、お金持ちや西洋人の住まいに使われていたそう。現在でも台北の立法院の建物に、この設計の窓があるそうです。思ったより軽く動きました。庭の木々を揺らして入ってくる風はゆったりしていて、ここが台中の市街地の真ん中とは思えないほど。
今日は展示がないので、がらんとしたスペース。ガラス戸をあけて前庭に面したテラスに出てみました。前の双十路が良く見えます。この建物の顔ともいえるきれいなテラスです。白い大柱は古代エジプト建築風。シュロの葉の飾りが、う~ん立派。建物の外壁の連続模様は建設当時流行していたアールデコの影響を受けているそうです。「それだけではないんですよ」と呉さん。テラスをぐるっと横の方に行くと、こんどは日本風の窓のデザイン。和洋折衷の当時の流行が面白いです。

最後に呉さんが戸を閉めるとき、昔懐かしい鍵錠を発見して思わず声をあげたナビ。「きゃー、そういえば、おばあちゃんちにあったよ、これ!」台湾で出会う日本建築は、ほんとにおばあちゃんのような暖かさを感じさせてくれます。

ショップ案内 コンセプトは「台湾デザイン」


1階の歴代市長の書斎だった部屋は現在、さまざまなデザイン作品をおくショップスペースとして活用。

ここにあるのはほとんど、個人やグループでやっている、台湾の新進インダストリアルデザイナーの作品だそうです。多くがインターネットでのみ販売されていて、デパートなどにはない商品ばかり。そういう若手デザイナーに発表の場を提供するのも、ここの運営のポリシーだそうです。台湾中部ではここだけなので、デザイン関係の人もよく見にくるとか。ナビも掘り出し物はないかと、探してみました。
◆ 布バッグ。 

中華伝統の花柄をアレンジ。ブルーと濃いピンクが大胆です。同布の布袋戯(人形劇)人形はもう絶対ここにしかないですね。

ブックカバー 490元   バッグ 1180元

◆ 小物入れ。 

いろいろありますが、ナビが気に入ったのはこれ。一見ただの箱ですが、フタをあけると中に鏡があって、中のデザインも台湾ちっくで可愛いかったです。 ミニ化粧台 780元

◆ キッチングッズ。 

かわいい調味料入れ。フルーツ皿もなかなかのアイデア商品。ピックがお皿に挿せたり、下に水受けがついてるのも便利。
ユニバーサルデザインのフルーツ皿  1080元
てるてる坊主の調味料入れ 450元
◆ ステッカー。 

これは台湾ではかなり話題になったもの。台北在住のデザイナー作。日本にもありそうですが、種類の多さはさすが台湾。お土産に受けるかも?

◆ 先住民アート。 

先住民の部族にはそれぞれ独特の模様があります。色使いも特徴があって、とっても個性的。 キーホルダー、マグネットなど。 150元

◆ 文具。 

漢字を鳥で表すなど、かなり凝ったデザインのシリーズ。ノートやカラーファイルなど。台湾の形をいろんなものでデザインしたものもあります。たしかに台湾にしかないお土産。


また、ナビお薦めなのが、台湾先住民音楽のCD。特に音楽的才能に恵まれているといわれる彼ら。

八部和音という、世界的にも類のないすごい和音の合唱があります。天籟(天からの音楽)といわれるゆえんの歌声は何度聴いても癒されますねー。
不定期に特集展示をするそうで、日をあらためてナビが行ったときは、お正月向けのカードの特集をやっていました。赤いカードも、一般の書店でみかけるのよりずいぶんオシャレ。ぶらっと立ち寄って新商品をチェックするのもいいかも。

コーヒーショップでの~んびり

1階を右手に入っていくと、コーヒーショップになっているエリア。ゆったりしたソファ席もあって、大人数でも楽に座れます。中庭のガラス張り天井の下にはテーブルが13卓くらい。新聞を読んでいるおじさん、おしゃべりをしている若い女性、和気あいあいと鍋をつついてる学生グループ。それぞれ自由にすごしています。ナビたちは呉さんの案内で、向かいの台中市立第一高校が見える窓際の席に座りました。

ここで呉さんが天井を指差しました。あれ~?なにやら日本語が。「ヒノキ…?」 どうやら建材に書かれた目印らしきもの。建物にもともとあったのを、このコーヒーショップを整備する時も、珍しいからとそのまま残したんだそうです。竹で編んで土を塗った、日本式土壁の一部も、そのまま残してありました。レンガやコンクリート造りになれた、台湾の若者の目には珍しく映るのでしょうか。

ここはコーヒーショップといえど、メニューの種類はかなり豊富。いろんな国の代表的料理をとりそろえて、30種類以上。親子丼、カレー、ビビンバもありました。若い人に人気のあるスパゲッティでは、タンタン麺のソースを掛けた四川風鶏肉タンタン麺が面白そう。火鍋(しゃぶしゃぶ)では、モンゴル鍋や、かぼちゃ鍋など。変わったスープベースのものが多いです。

飲み物はもちろんすごい種類です。(54種) 冰沙(スラーピー)などは暑い日に。台湾名物パールミルクティーもあります。しぶく浸りたい人はプーアル茶や鐵漢音、東方美人といった台湾茶を試してみてください。ここの食器は、ショップに作品をおくデザイナーのものを多く使っているそうです。
◆ 公館奶酪(パンナコッタ)

メニューではクリームチーズとなってますが、パンナコッタでした。やわらかい甘さで女性に人気があるそうです。 懐かしの切り売り豆腐をモチーフにしたかわいい器は、最初さかさまで出てくるのでちょっとびっくり。これも台湾デザイン。
◆ 文山包種茶 ポット   

包種茶とは台北の南港地域で作られるお茶のこと。清の時代に、魏静時という人が初めてこの土地でお茶を栽培したとか。それまでの大陸から伝わった方法とは違う、台湾独特の方法で、とても美味しいお茶をつくることに成功したそうです。

そして日本統治時代には、「製茶茶葉伝習所」の講師として各地からやってきた農民に製法を伝授し、「台茶の父」と称されたとか。呉さんの説明を聞きつつ、ゆっくりと香りを楽しんでお茶をいただきました。クセがなくてとても飲みやすいお茶でした。
このティーセットも台湾デザイン。見えないようになってますが、ポットの下に固形燃料が入れてあるので、ずっと暖かくお茶をいただけます。ショップでお茶(缶入り)を買うと、ここで茶水料100元で、楽しむことができます。
◆ 抹茶牛肉火鍋  

ありきたりの鍋にあきたという方、ぜひ試してみてください。スープベースに抹茶をつかった特製鍋です。緑色の火鍋は、たしかに見た目かなり驚き。入っている具は普通の鍋とほとんど変わりませんが、春雨や豆腐までほんのり緑色です。味はぐっとあっさりしてました。普通の鍋の肉の脂っこさが消えて、抹茶の香りがよかったです。つけダレはちょっと甘めの沙茶醤(干しエビを使った中華調味料)。個人的にはちょっとお醤油がほしいかな。
ナビたちが行ったときはちょうど会館1周年ということで、アフタヌーンティー99元というサービスがありました。飲み物のほかに、20種類の食べ物の中から3種類チョイスできるので、これはかなりお得。(月曜~金曜14:00~17:00)

参観した全体の感想としては、ほんとうにいろんな要素がぐっとつまった台湾らしいスペースだと思います。繁華街からのアクセスがいいので、休憩スポットとしての利用度は高いのではないでしょうか。

以上、台中ナビでした。

記事更新日:2009-07-25

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スポット登録日:2008-01-16

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