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純粋に良い茶を愉しむ都会のオアシス空間「攏翠坊」で、じっくりと中国茶の素晴しさに向き合ってみませんか?

こんにちは、台北ナビです。
以前から台北ナビでもご紹介していた茶人蔡さんの攏翠坊が転居していたときいて、きっとまたとってもステキな空間が広がっているに違いない、とばかりに、早速行ってまいりました。

一階の入口は目立ちません


前の場所もなかなか目立たない場所にありましたが、今回も特に看板はなく、普通のビルの6Fにあるので、住所片手に見つけるか、事前にググっていかれると迷わずに安心かと思います。ナビは第一飯店の後の一方通行の道、124巷を、吉林路側から入って、23号という住所の入り口を探す早いと思います。
ビルの1Fに到着すると、ブザーを押して外門を開けてもらいますが、ブザーには、攏翠坊の小さな標識があるので、押し間違えることはありません。建物の中に入って、エレベーターで6Fへ。
極々普通人が住んでいるビルといった風情ですが、6Fに着くとエレベーターを降りて右側に攏翠坊が入口を構えています。お向かいさん(左側)の玄関が派手なので一瞬迷いますが、下駄箱のあるほうが攏翠坊の入口で、ここで靴を脱いで中に入ります。
中に入ると、見覚えのあるテーブルや火鉢などがゆったりと配置されています。前のお店にあったものが、しっくりと今の場所におさまっています。

引っ越して4年

攏翠坊は、こちらに移ってきてすでに4年になりました。以前のお店では畳の部分が多かったように記憶していますが、今回はフローリングの部分が多くなっています。が、置いてあるステキに年季を感じる家具や調度品たちは、見覚えがあるものばかり。
前もとても味わいのあるしつらえでしたが、今回のこの場所も、素敵な品茗空間になっています。
日本の骨董火鉢

日本の骨董火鉢

蔡先生お手製のお茶も買うことが出来ます

蔡先生お手製のお茶も買うことが出来ます

以前出されていた茶人料理は、今はもう提供していません。食べ物は一切出さず、純粋にお茶だけに向き合って、お茶そのものを愉しむため、良いお茶と環境を提供する茶空間となっています。

店内拝見


茶箪笥は前のお店にあったものをそのまま持ってきているそうですが、置き方が変わっているので新鮮な感じです。お茶を淹れて飲むための席がそこここに設けられていています。
ただ、畳の間の面積だけが前の店より少なくなりました。畳が手に入らなくなってしまったそうで、手に入る分だけの畳を使って、畳の間も作られています。
配置は変わっても

配置は変わっても

見覚えがある家具たち

見覚えがある家具たち

茶学者蔡さんの茶道具コレクション

大学生の頃からお茶を教えていたという蔡さんは、お茶を総合的に研究する茶学者。中国茶は今まで、茶芸とくくられて呼ばれることが多かったのですが、今では、泡茶(お茶を淹れる)、茶文化(歴史の部分)、茶環境(茶室のしつらえなど)など、分野が細分され、それぞれについて更に深く掘り下げてゆくという学問のように進化してきています。そんな流れの中、蔡さんはお茶についての講演を依頼される事も多く、台湾国内のみならず中国にも出かけて教鞭をとっていらっしゃいます。

攏翠坊の店主と茶学者と製茶師

攏翠坊でナビたちを迎えてくださったのは、店主としての蔡さんでしたが、実は蔡さんは、いろいろな肩書きをお持ちの茶学者です。中国では福州大学や個人の団体に招かれて茶の歴史や茶樹栽培の環境を教える講師をなさったり、ご自身で木柵近辺の茶栽培区の山の環境を守る「茶山保育協会」を立ち上げたり、大陸に行って、プーアール茶や岩茶を作る製茶師をなさったりと本当に多才です。攏翠坊で味わえる岩茶とプーアール茶は、蔡さんの作ったお茶だそうです。
山を守らないと良いお茶は育ちません!

山を守らないと良いお茶は育ちません!

ご自分で復元した宋代の茶筅

ご自分で復元した宋代の茶筅

現代のものとくらべてみましょう

現代のものとくらべてみましょう

このように、茶を淹れて飲むということのみならず、歴史的な流れなども研究されている蔡さんは、素敵な現代の茶壺以外にも、中国から日本に抹茶が伝わった当時の宋の時代の茶筅の原型を復元したり、日本から骨董の石臼を買ってきて、以前の中国文化にあった石臼と比較したり、独自に色々な比較研究をなさっています。
不断なる好奇心、これが蔡さんの輝きの源となっているようですね。
日本の石臼も、ルーツは中華文化です

日本の石臼も、ルーツは中華文化です

実に楽しそうに

実に楽しそうに

説明してくださる

説明してくださる

蔡老師

蔡老師

素敵な陳さんのお点前

以前の場所で、女性シェフとしてその腕を振るっていた陳さんは、攏翠坊の重要な店長さんです。
お茶の淹れ方が判らなかったら、陳さんが教えてくださいます。きりりとした顔立ちがりりしいハンサムガール。センス溢れるテーブルライナーは陳さんの見たてによるものです。
清いオーラが

清いオーラが

淹れてくださったお茶にも

淹れてくださったお茶にも

お話を聞きながら、凍頂茶を淹れていただきました。攏翠坊でお茶をいただく時は、毎回とても可愛い骨董の茶杯を使わせてくださいます。今風のつるりとした表面が均一の茶杯と違って、少し凹凸があって若干いびつですが、とても味わいのある茶杯です。熟練茶師が作った凍頂茶は、とても味わい深く、えもいわれぬ境地へナビを誘ってくれます。
陶の茶壺でじっくり蒸らした

陶の茶壺でじっくり蒸らした

甘い茶湯は天下一品!

甘い茶湯は天下一品!

凍頂茶の滋味に打ち震えているナビの前に、今度は老天目の茶杯にごく少量の芽茶が入ったものが出されました。
そこに、ゆっくりとお湯を注ぐと、茶葉があっというまに新鮮さを取り戻してゆきます。浮かんだ茶葉の端から、そっと茶湯をすすってみると、中国緑茶の名茶、安吉白茶の淡い甘さがお口に広がり、渇きを癒してくれます。黒い杯底に茶葉が映え、見た目にもとても涼やかです。
老天目から甘い茶湯をすすりながら

老天目から甘い茶湯をすすりながら

どなたかが書いた訪店録をパラパラめくり…

どなたかが書いた訪店録をパラパラめくり…

こうしてみると、お茶請けがなくても全然退屈ではありません。却って、楽しく静かなお話しとお茶の味に、じっくりと向き合うことができました。暫し、日常を忘れ、煩悩から離れ、肩の荷を降ろしてリラックスするには、とてもよい時間を持てたと思います。
古代の詩人達が、お茶を飲みながらそんな内容の詩を書きたくなった心持ちがわかるような気がします。

気になるメニュー

素敵な書体で書かれたメニューがあります。翻訳版はないので、わからなかったら気軽に訊ねてみましょう。
また、お茶そのものと真摯に向き合って味わってもらうため、お茶菓子は一切用意してありませんので、お食事を済ませてから来店する事をお勧めします。
素敵な書体のお品書き

素敵な書体のお品書き

※お一人様200元のお水代がかかります。※茶葉の料金は10グラム計算です。
清雅香茗(清香系のお茶)
珍稀緑茶 400元
有機清茶 300元
杉林渓  400元
熟香回味(焙煎・全発酵系のお茶)
伝統凍頂 400元
鉄観音  500元
野化紅茶 400元

古典陳韻(陳年茶)
台湾蒔茶 800元
陳年プーアール 時価

特色珍茶
武夷岩茶 時価

習い事空間やギャラリーにも

広々としたフロアで展示会やヨガ教室も

広々としたフロアで展示会やヨガ教室も

攏翠坊では、書道やヨガのクラスを催すこともあるそうです。こんな素敵な場所で、身心を鍛えられたらどんなに気持ちがよいでしょう。また、芸術家による作品を展示することもあるのだそうです。下の写真は、先日展覧会をした、ある画家の作品です。
アクリル画ですが、作品のどこかに必ず茶壺が小さく描かれていて、ステキですね。
淡い色合いで素敵な作品がいっぱい

淡い色合いで素敵な作品がいっぱい

小さい茶壺、ありました!

小さい茶壺、ありました!

予約をしてからご来店を

攏翠坊に行かれる時は、必ず事前に予約をしてください。予約がないと、開いていないこともあるそうですので、ご注意ください。蔡さんは、お店にいらっしゃらないことも多いのですが、店長の陳小姐がいらっしゃいますので、安心して予約してから来店してくださいね。
有名なのに、静かにビルの上階に存在する都会のオアシス。皆さんも、現代茶人蔡さんのおもてなしの心が息づく攏翠坊で、ホッと一息ついてみませんか?きっとすてきなひと時を過ごせることでしょう。
以上、台北ナビでした。

記事更新日:2013-06-06

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2013-05-27

スポット更新日:2014-11-15

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