夜市好きにはたまらない! 東京で、台湾屋台料理の本場の味が気軽に楽しめます
こんにちは、台北ナビです。
日本にも魯肉飯や担仔麺といった、台湾で人気の小吃を食べられるお店が増えてきましたが、夜市でおなじみの麺線、あのトロリとした細~い麺をいただけるお店はあまり見かけません。
でも、その麺線が大好きで大好きで、ついにお店まで出しちゃった!という女性店長さんがいらっしゃると聞いて、早速ナビもお店に行ってみました!
本場の味を求めて、試行錯誤を繰り返す
店長の林千笑さん
真っ赤なTシャツがお似合いです!
迎えてくださったのは、真っ赤なTシャツを着た元気な笑顔の林千笑さん。
何となく「女性店長=女性起業家」というイメージがあって、ちょっと構えていたナビですが、林さんはとっても気さくでフレンドリーな方。
女一人で事業を始めるということで、かなりの決意と意気込みがあったのでは、と思って伺ってみると……。
「そんな、大それたことを考えたわけじゃないんです。とにかく、麺線が大好きで、自分が食べたいと思ったときに、すぐに食べたい。でも、日本にはそういうお店がない。それなら自分で作っちゃおう、という感じで…」
もともと台湾旅行で麺線を食べて、その味にハマってしまったという林さん。
その後も何度も台湾を訪れていたんですが、お子さんができて、なかなか海外旅行に行けなくなってしまったんだそう。
それで、いつでも気軽に麺線を食べられるお店を出そうと思われたんですね。
店内も赤が基調で、台湾っぽい!
でも、実際にお店を出すとなると、いろいろと大変なこともあったのでは?
「そうなんですよ。まず、麺線の輸入が難関でした。最初は台湾の工場に断られたりもして、でも交渉を重ねてやっと輸入が決まった!と思ったら、今度はその通関手続きがまた大変で。私、社会経験が全然なかったので、そういう実務的なことでは本当に苦労しました」
実は林さん、卒業してすぐに結婚して専業主婦になったので、社会に出て働いたことがなかったんだそう。
それでも、「自分が食べたいときに麺線を食べたい!」という情熱で突き進んでいったんですね。
開店当時はまだ小さかったお子さんを背負ってお店に立つときもあったんだとか。
もちろん、麺線や魯肉飯も本場・台湾の味が出せるよう研究を重ね、台湾人のお友だちに味を見てもらったり、自分でも台湾に食べに行ったりしながら、納得の味を追求していったそうです。
そのこだわりの味を、ナビもいただいてみました!
◆台湾麺線セット(ランチ 850円)まずは、お店で一番の人気メニューというランチセット。
麺線と魯肉飯(小)、デザートのセットです。麺線は熱々スープの上に、パクチーがたっぷり。
鰹出汁のきいた優しい味のスープに、思わず顔がほころんでしまいます。
台湾では「麺線に入っている大腸が苦手…」という声も時々聞きますが、このお店のホルモンは臭みもなく、歯触りもよくて食べやすい!
パクチーたっぷりなのもうれしい!
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ピリッと辛い自家製辣椒醤がいいアクセントに
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ふと横を見ると、「レンゲ道のススメ」という可愛らしいメモが。
「普通、ラーメンなどの麺類は箸で食べますが、台湾では麺線をレンゲで食べるのが一般的」という説明が書かれています。
たしかに、熱々トロトロのスープと軟らかい麺線を一緒に食べるのがおいしいんですよね。
こんなところにも「麺線LOVE!」な林さんのこだわりが感じられました。
味のしみ込んだ豚バラ肉をのせた魯肉飯も、懐かしい台湾の味。
半熟卵のトロトロ具合もいい感じで、ご飯がすすみます。
デザートの愛玉は、プルンとした食感とレモンの爽やかな風味がたまりません!
◆夜市の鷄排(720円)
開店当初のメニューは麺線と魯肉飯だけだったそうですが、口コミでお客様が増え、「台湾の○○が食べたいなあ」という要望に応える形で、どんどんメニューが増えていきました。
中でも人気なのが、台湾夜市でおなじみの鷄排。
あのボリューム感満点の大きさといい、衣のサクサク感といい、まさに夜市の鷄排そのもの!
ただし、ちゃんと食べやすい大きさにカットしてくれています。
「夜市の鷄排は大きすぎて…」という女子でも、これなら数人でシェアできるから安心ですね。
大きさも味も夜市の鶏排そのもの!!
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切り方が台湾の排骨みたい
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◆青菜炒め(580円)季節の野菜を炒めたシンプルな一品ですが、これ、台湾でも人気ですよね。
季節によって炒める野菜が変わるそうで、ナビが取材させていただいた7月は空心菜でした!
シャキシャキの食感とほどよい塩味がたまりません。
中国野菜のタアサイや台湾でよく見かけるA菜といった珍しい野菜が入ってくる時期もあるそうです。
旬のおいしい野菜をたっぷりいただいちゃいましょう。
◆干糸豆腐(520円)干した豆腐を細く切ったものと野菜を混ぜた、台湾ではおなじみの小皿料理。
細かく裂いた蒸し鶏も入っていて、おつまみにもおかずにもなりそうです。
あっさりとした味付けですが、なぜかクセになってしまう一品。
カウンター席で店員さんとおしゃべりしながら食べるのも楽しそう!
ちなみに、林さんがお好きなメニューを伺ってみると…
「豆干(干した豆腐の煮込み)が好きなんですよ~ あと、この麻辣薬膳羊火鍋もオススメです。ちゃんと漢方薬を煮出して作っているので、食べるとすっごく元気になります!」
他にもパクチーサラダ、茶葉蛋(烏龍茶煮ゆでたまご)、大根餅、銀絲巻(台湾の少し甘い揚げパン)など、気になるメニューがいっぱい!
飲み物も台湾ビールをはじめ、台湾紹興酒、アルコール度数58度(!)の金門高梁酒、酸梅湯のサワー、なんとあの黒松沙士(台湾コーラ)のサワーまでありました。
もちろん、タピオカミルクティーやマンゴージュースもいただけます。
お店はJRの新橋駅から、徒歩10分ほど。
日比谷通りからちょっと小道に入ると、赤い看板の可愛らしいお店が見えてきます。
店内も赤が基調で、提灯や爆竹飾りなど、台湾風情あふれる装飾品がそこかしこに飾られています。
こういう空間に来ると、ワクワクしてしまうナビ。
「ザ・中華」な赤よりもちょっと優しい感じがするというのは、ナビのひいき目でしょうか?
「これ、見てくださいよ~」と林さんが指さしたのは、なんとジュースの蓋被せ機。
正式名称はわからないのですが、台湾のジューススタンドに必ずありますよね。紙カップを瞬時にビニール蓋で密封してくれる、あの機械。
台湾で初めて見たときには、あまりの便利さに驚愕したものですが、まさかこんなところで出会えるとは!
店頭では、お土産用の麺線と酸梅湯の素、そして自家製の辣椒醤も販売していました。
「この辣椒醤がおいしいんですよ!!」ということで、ナビも一つ購入。
たしかに、少量でもかなりの辛さ。
でも、ただやみくもに辛いわけじゃなく、旨味もギュッと詰まっているので、いろいろな料理の風味をアップしてくれそう。
そのまま白ご飯と一緒に食べるのもオススメです。
取材させていただいている間、奥のほうではなぜか、大量のキャベツを仕込み中。
思わず「すごい量ですね」と聞くと、「7月末に代々木公園で行われる台湾フェスタに出店するんですよ。実は麺線以外に、揚げ臭豆腐も出すんです」
おおっ、あの夜市や観光地で強烈な匂いを発している、アレですね(笑)
たしかに、日本人でも好きな人、結構いますよね。
「前に別の台湾フェスティバルで出させていただいたとき、用意した200個の臭豆腐があっという間に売り切れちゃったんですよ。それで今回は大幅増量しようと、今から準備中なんです」と林さん。
懐かしの臭豆腐を食べたい方、7月最後の週末は代々木公園へGO!!
スタッフの皆さんは和気あいあいと、楽しそうに仕込みをしていらっしゃいます。
林さんとのやりとりも「店長と従業員」という感じではなく、「仲間と一緒に楽しんでいます!」という雰囲気。
このアットホームさも、常連のお客様が多い理由なのかもしれません。
「お客様の3分の1は台湾フリークの日本人、もう3分の1は台湾人の方ですね。最近は家族連れのお客様も増えています。台湾に行ったことはなかったけど、このお店に来て、じゃあ、台湾に行ってみよう!と言ってくださるお客様もいるんですよ」
台湾好きの林さんの情熱が、どんどん伝染していっているのかもしれませんね。
これからもおいしい台湾の味を広めていってください!
以上、台北ナビでした。