ここでのご教示のおかげで、昨年無事、当記念碑を見ることができました。あらためてお礼申し上げます。さて、碑の人物、北白川宮能久親王についてちょっとだけ情報を。明治天皇の叔父に当たる人物で、もとは上野寛永寺の山主、輪王寺宮であった方です。幕末の例の彰義隊戦争の時にはその立場職責上、彰義隊の側に立たざるを得なかったために、皇族でありながら朝敵になってしまったという、なんとも不可思議なる運命に遭遇してしまいました。彰義隊壊滅後は東北に逃れ、のち新政府に帰順します。罪を許された後はドイツ(プロシア)に留学し、軍人として修業を積んで帰国しました。日清戦争後、台湾が日本に割譲されると現地の鎮撫のため近衛師団を率いて渡台します。しかし現地にて発病し(マラリア)、台南で亡くなります。海外で没した唯一の皇族という言われ方もしますかね。何とも数奇な人生を送った方でした。吉村昭『彰義隊』は、タイトルこそ彰義隊ですが、実際には北白川宮が主人公の小説で、彰義隊壊滅後に彼が逃げ延びてゆくあたりのところはまことにスリリングでハラハラする描写であります。ご興味がある方はぜひお読みください。
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